StarSuiteを用いて,あまり凝らない簡単なWebページをワープロ感覚で作成することができる.
StarSuite 8のメニューより,StarSuite HTML Documentsを選択すると次のような「Webレイアウト」画面が表示される.
この画面は概ねWriterと同様であり,概ねワープロ感覚でWebページとなるHTMLファイルを作成できる.但し,あまり細かい調整は行いにくい.その意味であくまでも「簡易Webページ」作成機能である.また,作成されるHTMLファイルに書かれたタグは,Webページ制作技術の観点からは「お勧めできない部分(マナー違反とされる部分)」が散見される(特にフォント指定個所など)ので,その点でも注意が必要であろう.
作成中のHTMLを詳細に見たい場合は,「表示」メニューから「HTMLソーステキスト」を選択すれば,HTML編集モードに切り替わる.
この状態では,個々のタグを微修正することができる.Webレイアウトモードに再度戻すには,「表示」メニューから「「HTMLソーステキスト」を選択すれば良い.
但し,実際にブラウザ上でどのように表示されるのか完全に確認するには,Mozillaなど実際のWebブラウザで表示させてみるしかないので注意せよ.
Webレイアウトモードでは,ワープロ感覚で編集できるため,H1タグなどの見出しを意味するタグは,ツールバーのスタイルメニューから「見出し1」などを選択するだけで指示できる.また,太字やイタリック体もメニューバーから選択すれば指示できる.
画像を張り込むには,まず事前に適切なディレクトリに画像データを用意しておき,次に,「挿入」メニューより,「ファイルから」項目を選択して表示されるダイアログより,
用意しておいた画像ファイルを選んで「開く」ボタンをクリックする.尚,「プレビュー」をチェックしておくと,選択した画像の確認用イメージが表示される.
しかし,この画像貼り込み機能は注意が必要である.画面上では正しく貼り付けられているように見えるが,残念なことにHTMLソースを確認すれば分かるのだが,IMGタグのSRC属性が指示したファイルに対する絶対パスが指示された状態となっているため,Webブラウザ上では正しく見えない.
このため,一旦,HTMLソーステキストモードに切り替えて,適切なURIになるように手作業による修正が必要である.(このあたりに,簡易Web編集機能の限界が見えるようだ.)
尚,StarSuiteのHTML編集機能では,既に作成済のHTMLファイルを読み込んで編集することが出来るから,既存のHTMLファイルに極く簡単な修正を施す場合に利用することも出来る.或いは,StarSuiteで大まかなレイアウトを作成しておいて,Emacsで細かい微調整を入れるといった手順も考えられる.実際,企業広報などWebページの品質(見栄え)を極める必要が有る場合,Webページのデザイナは,最後の調整をテキストエディタで施すという作業を行っている.
余談だが,情報通信工学科を卒業後の進路としてWebページデザインを想定する場合は,良く考えるべきである.単なる見栄えだけを作成するWebページデザイナには,いわゆる専門学校卒の者が溢れ返っていて過当競争になっており,安月給でこき使われるのがオチだ.ちゃんと「技術」を身に付けて「エンジニア」として就職する人生の方がずっと宜しい.
特に,HTMLにおいて「表形式」をタグ表現するのは相当に面倒なので,作表目的の作業には適当だろう.表を作成するには,表を入れたい位置をクリックしてカーソルを出しておき,「表」メニューから「挿入」を選択する.以下のダイアログで,必要な行/列数などを指示する.
また,オートフォーマットボタンをクリックすると,表の色分け法を指示することが出来る.
挿入されたの各セルには適当に内容を埋めることができ,また,区切り線は適当にドラッグして位置調整できる.このあたりは,StarSuite Calcと同様に操作できるはずなので,OpenOffice.orgオープンガイドブックなどを参照して欲しい.
HTMLに限らず,あらゆる作業目的に対して万能なツール(ソフトウェア)は無い.EmacsやStarSuiteなど目的に適したツールを意図的に選んで使い分けできる「知恵」を持つようにしよう.