LaTeXを用いた文書作成

LaTeX(ラテフと読み,最後の音はドイツ語のchの発音.米国ではラテックと発音されることもある.)は,理工系分野で論文やレポート作成にしばしば用いられる文書処理ソフトウェアである.一般のワープロソフトとはかなり毛色が異なっており,Emacsなどのエディタを用いて,まるでコンピュータ・プログラムのようなコマンドや命令が埋め込まれた「LaTeXソース」と呼ばれるテキストファイルを作成して,それをplatexコマンドを用いて処理することで,目的の文書を生成するようになっている.内容が若干古いのだが,基本的な使い方の詳細はコンピュータガイド2001年度版pp.249‾294参照のこと.

ここではLaTeXの最新バージョンであるLaTeX2eを用いて実習を行う.

サンプルソースによるLaTeX文書の処理練習

以下の手順に従って,予め用意してあるLaTeXソースファイルを処理して最終印刷出力をプリンタから印刷してみよ.入力すべきコマンドはピンクで示してある.

  1. まず作業用ディレクトリとしてホームディレクトリにlatexディレクトリを作成してカレントディレクトリをそのディレクトリに移動せよ.
    cd (カレントディレクトリをホームディレクトリに移す)
    mkdir latex 
    (latexディレクトリを作成する)
    cd latex 
    (latexディレクトリにカレントディレクトリを移動)
  2. サンプルLaTeXソースファイルは
    /NF/class0/oomoto/program/LaTeX/sample.tex
    として置いてある.これをカレントディレクトリにコピーせよ.
    cp /NF/class0/oomoto/program/LaTeX/sample.tex . (末尾のピリオドを忘れずに!)
    ls
    (正しくファイルがコピーできたかどうかの確認)
  3. sample.texファイル中の名前,学生番号,所属項目を,emacsで編集して各自のものにそれぞれ書き換えよ.この時{や}などの特殊記号を誤って削除しないこと. また,LaTeXソースファイル中で各種記号を入力するときは日本語変換をOFFにしておくこと. (全角記号が誤って入ってしまうと,その誤りを見つけるのが非常に難しくなる.)
    emacs
    書き換え終わったらファイルを保存してemacsを終了しておくこと.
  4. 書き換え終わったsample.texファイルをplatexコマンドで2回処理した後,生成された.dviファイルをxdviを用いて画面表示してみよう.
    platex sample.tex
    (ガイドでは「コンパイル」と呼んでいるLaTeXソースファイルの処理.一般には「整形」や「タイプセット」と呼ばれる. これによりsample.dviファイル(これを一般に「dviファイル」と呼ぶ)が作成される)
    platex sample.tex
    (再度LaTeX処理.相互参照を正しく処理するには2回LaTeXを実行する必要がある)
    xdvi sample.dvi &
    (プレビューアxdviの起動.LaTeXの処理結果が画面表示される.このxdviを有効に使って無闇に印刷せず用紙を無駄にしないように心がけよう!)
  5. 正しく文書が処理されていなければ,上記3へ戻ってemacsで再度sample.texを修正して,platexコマンドで整形処理した後,xdviで確認することを繰り返す. xdviで納得の行くものが確認できたら,以下の手順でプリンタから印刷してみよ.
    dvips sample.dvi (印刷用Postscriptファイルの生成,ここでsample.psファイル(これを「PSファイル」を呼ぶことがある)が出来る)
    lpr -Pプリンタ名 sample.ps(最終出力の用紙への印刷,プリンタ名は各自が座っている席に最も近いプリンタ名を予め確認しておくこと.)
    rm sample.ps(不要になった出力用ファイルの削除)

    尚,dvipsが生成する印刷用PSファイルは .dvi の部分を .ps に置き換えた名前のファイルとして作られる.例えば,元のdviファイルが foobar.dvi とすれば foobar.ps という名前で生成される.

sample.texの内容はこちら


LaTeXを用いた履歴書作成練習

/NF/class0/oomoto/program/LaTeX/profile.texをlatexディレクトリにコピーし,その内容を適当に各自に合わせて編集して簡単な履歴書を作成し,xdviで適切に整形処理されているか確認せよ.

納得のいく内容に編集・整形出来たら,用紙へ印刷してみよ.尚,用紙への印刷は必要最小限に留めること.万が一,うまく出力されない時は,まずlpqコマンドでプリンタの状態を確認すること.lpqコマンドの使い方は次の通りであり,これによりプリンタの作業状態が表示される.

lpq -Pプリンタ名

no entryと表示された場合は,そのプリンタは何も印刷処理を行っていない.no entryであるにも拘らず印刷出力されない場合は,むやみにlprコマンドを連発せずに情報センターなどへ助けを求めること.


参考書

LaTeXを用いた文書作成に関しては,以下の書籍(内容はLaTeX2eでなく旧版LaTeXに基づいているため,若干の相違点がある)が本学図書館の「指定図書コーナー」にかなりの冊数が在庫されているので,提出課題に取りかかる前に一読することを勧める.

すずきひろのぶ著「やさしいLaTeXのはじめかた」
オーム社発行 ISBN 4-274-07678-4


提出課題について

「サンプルソースによる印刷実習」で出力したサンプルに課題提出要領が書かれてあるので,それに従って工学部事務室窓口へ提出すること.尚,提出期限を過ぎた課題は評価の対象外となるので注意のこと.


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