NeoOfficeは良くも悪くもオープンソースのフリーソフトウエアであり,商用ソフトウエアに比較して細かい点で至らない部分がある.しかし,それに対して何らかの対策もインターネット上の誰かが編み出して(作成して)いる,或いは,暫くすれば出現してくる事が多い.これもオープンソースソフトウエアの大きな特徴であろう.
ここでは現在判っているNeoOfficeの問題と対策(クリップアート類の強化など)について説明する.
現在のNeoOffice 3.1.1には,ベースとなっているOpenOffice.org 3.1.1に由来するバグが原因でImpressで最初にプレゼンテーション資料を作成する時に「テンプレート」を読み込んだ際,内容テキスト枠を配置する位置を間違えて画面最上部へ置いてしまう不具合がある.これはどうやらウィザード機能の不具合らしく,具体的には,各レイアウトにおいてタイトル枠の上に内容枠が重なってしまって,各スライド毎に内容テキスト枠を少し下へ移動しないとタイトル枠へ入力出来ない状態になってしまう.
これはOpenOffice.org 3.2.0では修正されているので2010年秋頃にリリースが見込まれるNeoOffice 3.2.1では直ると予想されるが,逆に言えば,現状ではこの問題が根本的に直る見込みは薄いので,プレゼンテーション作成を開始する場合には以下のやり方で対処しよう.
上記の不具合は,特定の背景デザイン(テンプレート)に限って起きる.従って,別のデザインを選択すると不具合を避けられる場合がある.
上記の不具合が発生した場合,プレゼンテーション作成開始時の一番最初に「表示」メニュー -> マスター -> スライドマスターと選択して表示されるスライドマスター画面にて修正できる.
タイトルテキスト枠とアウトラインテキスト枠(内容テキスト枠)が重なってしまっているので,このアウトラインテキスト枠を少し下へドラッグして修正する.
位置が修正出来たら,「マスター表示を閉じる」をクリックすると元の画面へ戻る.
このようにスライドマスターにてテキスト枠位置を一度修正しておけば,各レイアウトでテキスト枠が重なって入力できないという問題は解消されているはずである.
時々,日本語入力がおかしくなる場合がある.特にImpress使用時に発生する場合が多いようである.この場合,NeoOfficeを一旦終了して再起動すると殆どは直るようだ.尚,再起動においては作成中の文書の保存を忘れないようにしよう.
NeoOfficeは商用のオフィスソフトに比べると,標準で使えるクリップアートやプレゼンテーション背景が非常に少ない.これらのクリップアート類は著作権の問題から無闇に他所から借用してくる事が出来ないが,幸い,Internet上には自由に利用させてもらえる素材が提供されているので,これらを用いて補う事が出来る.
以下のサイトから SozaiOOo_extension (素材OOo extension)をダウンロードして適当なフォルダへ置く.ファイル名は DSFJ-SozaiOOo.oxt である.
http://sourceforge.jp/projects/openoffice-docj/releases/
このSozaiOOo.oxtファイルはOpenOffice.orgの機能拡張ファイルと呼ばれ,これをダブルクリックして開くとNeoOfficeへのインストールが開始される.次のような画面が表示されるのでOKボタンを押して継続する.
次に利用ライセンス条項が表示されるので,
条項内容を確認しながら「下へスクロール」ボタンをクリックする.条項を確認したらOKボタンをクリックするとインストール処理が実行される.
インストールが完了したら,以下のようなウィンドウ表示となるので「閉じる」をクリックして,ウィンドウを閉じる.
これで準備は出来た.NeoOfficeを再起動すれば素材OOoが提供してくれるクリップアートが使えるようになる.
適当なドキュメント編集ウィンドウにて「ツール」メニュー-> 「ギャラリ」と選択すると,色々なクリップアートが追加されているのが確認できるだろう.
OpenOffice.orgプロジェクトでは,Impressのプレゼンテーション作成に使える様々な「テンプレート(雛形)」を公開している.
http://templates.services.openoffice.org/ja/
こちらから気に入ったデザインのテンプレートをダウンロードして利用させてもらうことが出来る.
このサイトにアクセスして,「ビジネス」をクリックしよう.
この画面の「プレゼンテーションのバックグラウンド」リンクを辿って様々なプレゼンテーション背景を探してみよう.ここでは,"Blue Box"デザインを使ってみることにする.
気に入ったデザインが見つかったら,をクリックすると手元にテンプレートファイル(拡張子 .otp)ダウンロードされる.
このテンプレートファイルを開くと,そのデザインに基づくプレゼンテーション資料作成画面が開始される.
そのまま作成作業を続けた後に保存すれば,そのデザインに基づく資料ができ上がる.
Enjoy!